即興と制作

　作品制作は、作品のアイデアを思い付く瞬間において、即興性を持つ。即興とは、その場その場でアイデアを閃かせて作っていくこと。即興は、音楽では、即興演奏がある。これはJazz、現代音楽、free music、電子音楽、ロックなどで行われている。絵画では、アクションペインティング、ライブペインティングがある。たとえばアメリカのポロックJackson Pollockが有名だ。ダンスでは、コンテンポラリーダンスでよく即興がされる。
　何時間もかけてデザインを考える場合でも、アイデアが閃く瞬間は、即興に近い。入試の小論文も短時間で書く作業であり、即興性がある。デザインを考える時、時間をかけることは大事だ。だが、即興で10秒位で絵を描いてみる、という作業も、アイデアを持つのに有効だ。音楽でも絵画でも、作品のテーマを思い付く瞬間は、即興的だ。テーマを思い付いた後、そのテーマを、その人その人の理論を元に膨らませて、残りを作ることで、作品は作られる。つまり、即興的な思い付きと理論的な膨らませる作業とによって、作品は成り立っている。