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〈芸術とは?〉

1.芸術とは、美によるコミュニケーションをもたらす活動である。


 芸術は、一面では、美の表現を行うものである。制作者や作品の支持者は、作品を見せる形で、美を他者に伝えようとする。つまり、制作者と鑑賞者、鑑賞者と鑑賞者の間で、作品とそれに表された美とが共有される、その時の手段が、芸術である。美の共有により、感動が共有され、さらに人同士に会話が生まれるなど、コミュニケーションが発生する。これは、芸術が、美の共有によるコミュニケーションをもたらす活動であるということである。

2.芸術とは、技術的困難を乗り越える作業である。


 絵画でも音楽でもダンスでも写真でも、その制作技術がある。その技術は、先人の芸術家から学びながら、自分でも発展させようとするものである。何故なら、先人芸術家と異なる表現を求めた時には、先人芸術家と異なる技術が必要となるからである。

3.芸術とは、予め決められた表現を乗り越える活動である。


 人は、人生を歩み生活する中で、国家や社会や家族から、決められた考え方や行動様式に従うよう、求められる。しかし、芸術家は、そこで決められた思想や感情を表現するのではなく、既存のものと違う表現を求め、実現しようとする存在である。

参考文献
『美学辞典』東京大学出版会

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